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ニュースの目 (118)

進む超高齢社会

 日本の総人口 8600万人代へ

 日本の将来像を描く基礎資料ともなる、2060年までの将来推計人口が、国立社会保障・人口問題研究所から公表された。それによると10年時点での日本の総人口は、48年には日本の総人口は一億人を割り、60年には4132万人減って、現在の3分の2の8674万人にまで減少するという。14歳以下の子どもの人口は1684万人から791万人に53%も減少し、15~64歳の生産年齢人口は8173万から4418万人へと激減(46%減)する。一方、65歳以上の人口は、2948万から3464万人まで17%増加する。超高齢社会が猛烈な勢いで進展しているのがよく分かる。改めて日本の人口減少の早さと高齢化に愕然とする。用語も含めて、少し問題を整理してみよう。
 高齢化社会とは、国連の定義によると、高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)が7%を超えた社会をいい、14%を超える社会を高齢社会という。日本では、昭和45年(1970)に7.1%となり、平成20年(2008)には22.1%となり、完全に高齢社会に突入している。今回の人口予測では、60年には39.9%に達するとされ、実に全人口の4割が高齢者という超高齢社会になる。高齢社会といっても地域間格差も大きい。参考のためにあげれば、平成20年(2008)における高齢化率20%以下の県は、滋賀県、神奈川県、愛知県、埼玉県、沖縄県
で、高い高齢化率の高い県は、島根(28.6%)、秋田(28.4%)、高知(27.8%)、山口(26.9%)、山形(26.7%)などである。高齢社会の問題で事態が急速に悪化すると予想されるのは、地方よりはむしろ高度成長期に開発された大都市部の住宅地であろう。世界の高齢化率は、2005年の時点で見れば、日本(20.1%) 、イタリア(19.7%)、スウェーデン(17.2%)、スペイン(16.8%)、ドイツ(18.8%)、フランス(16.3%)、イギリス(16.1%)、アメリカ合衆国(12.3)となっている。こうしてみると、合衆国が今なお若い国であることが分かる。スウェーデンは、すでに1972年(平成47)には高齢社会(14%以上)に達しているが、17.2%に抑えられているのは、政策的努力に負うところが大きいのであろう。
 こういった数値の基礎となっている合計特殊出生率(一人の女性が生涯に何人の子どもを産むかということ)は、50年後の見通しを1.35としている。人口減少に歯止めがかかるのは2.07人といわれているので、近年、出生率が回復傾向にあるといっても、均衡するにはほど遠い数値である。仮に、30年以降に2.07%で安定した場合、高齢化率は40年代に30%台前半でピークを向かえ、長期的には20%台半ばで落ち着くという。出生率の低さの背景には、女性や結婚観の変化があげられよう。子どもをほぼ産み終わった今年52歳になる女性(1960年生まれ)と、これから子どもを産み始める17歳の女性(1995年生まれ)の将来像を対比させてみよう。(括弧内は、17歳の女性の将来像)
  平均初婚年齢    25.7歳  (28.2歳)
  生涯結婚しない割合 10人に1人(9.4%) (5人に1人(20.1%))
  夫婦が持つ子どもの数  2.07人 (1.74人)
こういった数値を見ているだけでも、少子化の傾向は鮮明だいえるだろう。
平均寿命も、現在の男性の79.64歳、女性の86.39歳から、それぞれ84.19歳、90.93歳へと伸びることが予想されている。こうして高齢者が増え、若者世代が激減して行けば、高齢者世帯(65歳以上の者のみで構成されるか、若しくは18歳未満の未婚のものを加えた世帯)が増え、さらに、虚弱・寝たきり・認知症といった要介護高齢者が増え、誰がそれを支えるかという問題が先鋭化してくる。

  誰が支える超高齢社会

 詳述したように、このままでは日本は近い将来全人口の4割近い人々が65歳以上の高齢者となるいびつな人口構成の国となる。その社会的圧力は大変なもので、現在では、お年寄り1人を、学生を含む現役世代2・8人で支える形が、60年には、1.3人で支える形にならざるをえない(因みに、1960年では11.2人であった)。いうまでもなく、年金や医療保険の多くの部分を15~64歳の働く世代が負担している。しかも、医療や介護で多くの給付を受けているのは、65歳以上の世代である。若い世代が不公平感を抱くのも無理はない。また制度的にも、若い世代や企業にこれ以上の負担を強いるのは限界に近いのではなかろうか。
 もともと年金制度などの社会保障制度は、「世代間の相互扶助」という理念で構築されているはずである。従って、貯蓄と同じように利子がついて返されるという性質のものではないはずだ。自動車保険に加入していて、無事故をこそ誇るべきであるように、健康で生活でき、高額医療や介護保険のお世話にならないですむことを感謝すべきではないだろうか。
 筆者は提案したい。確かに年金制度をはじめとする社会保障制度はすばらしい。しかし、老齢期に入ってもなお健康を維持し、自助自活できる魂はもっともっと素晴らしい。もっと具体的にいえば、年収の多い人、あるいはある程度の資産の蓄えがある人などは、年金の一部あるいは全部をカットできる仕組みがあってもよいと思う。そして大切なことは、家族や地域社会が、老齢期にある人々が普通の生活を送れるようにサポートすることができる社会体制の構築であろう。社会的格差の拡大が叫ばれて久しい。高齢社会の問題は、次世代を担っていく若い世代の育成の問題とも密接に関係している。そういった中で、現行の税金や社会保険料の問題は、制度設立の初心にかえって抜本的な見直しが必要だと思える。

 

<墨滴>

協賛企業 (株)福山臨床検査センター 笠岡マルセン開発(株)
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