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ニュースの目 (252)

Jアラートへの対応
―今は戦時下なの?―

 核の脅威とJアラート

 北朝鮮によるミサイル実験と水爆を含む核開発が、想像以上のスピードで進められているようだ。8月29日には、ミサイルが北海道の襟裳岬上空を飛翔して太平洋上に落下した。それに対して、Jアラート(全国瞬時警報システム)が発せられて、列車が停止したり、学校が休校になったりしたという。北朝鮮が日本全土を射程内におくミサイルを保有し、核実験を重ねているという現状を考えれば、発射の事実と方向などの諸元がわかった時点で、警報を発するというのは必要な措置というべきだろう。
 北朝鮮の意図は明白というべきである。すなわち、国際世論、特にアメリカから自国の政治体制の安泰の保証を取り付けること、それに尽きるのではないか。昔の日本の言葉で言えば、「国体の護持」。必敗の戦況の中で、ポツダム宣言を受諾するか否かは、この国体の護持が可能か否かにかかっていた。北朝鮮においては、金王朝とも評される体制。初代の金日成は、朝鮮を日本の植民地支配のくびきから解放した英雄であった。厳しい冷戦下において、北朝鮮は、旧東ドイツと共に共産主義体制の最前線として、西側諸国と鋭く対峙していた。ところが盟主のソ連が崩壊してロシアの誕生、統合ドイツの誕生、中国の国家資本主義とも言うべき経済体制への傾斜、こういった世界の動きの中で北朝鮮指導部は孤立感を強めていったのであろう。
 ソ連の核の傘の下では、核を保有することなど考えてもいなかったであろう。だが、ソ連なきあと、38度線を境に韓国と対峙しなければならない。さらにその背後にアメリカが控えている。韓国軍とだけならば、戦争で勝ち抜く自信はある。北朝鮮が韓国に飲み込まれないためには、そして自分たちが生き残るためには、抑止力としての核兵器が必要である、しかもアメリカを直接攻撃できるICBM(大陸間弾道弾)とセットで。北朝鮮の指導部が、このように考えるのは論理の当然の帰結である。
 その際に、日本への先制攻撃は戦略的に考慮されているのであろうか。旧ソ連は不凍港を求めて、ロシア帝国以来の伝統的な南下政策をとっていた。冷戦下にあっては、緩衝地帯としての日本列島を傘下におくことは戦略的に意味があることであったに違いない。だからこそ、自衛隊、特に陸上自衛隊は北海道に機動力の多くを集中していた。
 では、北朝鮮が日本に対して、不意打ち的な先制攻撃を仕掛ける必然性があるのであろうか。全くないといってよい。占領目的を伴わない攻撃は、中国が攻撃を共同しないという前提では、自衛隊により、制空権、制海権共に奪われるだろう。なぜならば、わが国は、世界で七番目あたりの屈指の軍事大国なのだから。さらにアメリカをはじめとする多国籍軍が編成され、湾岸戦争時のイランのように国は崩壊し、指導部は戦争犯罪人として処断されるであろう。占領目的であるならば、渡海作戦を伴い、補給線が伸びきり国力の点からも自滅するしかない。ならば、核の使用はどうか。瞬時にして核兵器を含む報復攻撃で壊滅せざるを得ない。
 ソ連の崩壊以来、北朝鮮は相当追い詰められていると考えるべきなのであろう。だからこそ国運をかけてでも、核兵器を開発し、運搬手段のICBMの開発を急ぐのだ。アメリカ全土を射程内に治めるICBMと水爆があれば、アメリカ国民をいわば人質にとることができるのである・
 重ねて述べるが、自国民を道ずれに自殺の道を選ぶのでなければ、北朝鮮は日本に対して戦争行為を仕掛ける恐れはない。仮に侵攻があるとすれば、事前に兵員や物資の輸送のための準備があり、それを隠し通せるものではない。さらに、日本侵攻のための国力が決定的に不足している。

 過剰反応はやめよう

 攻撃の意図はない。核のかわりに、飛行データを収集する機器が積載されている。しかし、他国の上空を飛翔中に墜落の可能性が出た場合どうするか。当然、ロケット本体を破壊することになるが、残骸は大気圏突入時に燃え尽きてしまうであろう。不幸にして燃え尽きなかった場合でも、被害は最小限ですむはずである。
 ミサイル発射の事実そのものは、最新の探知技術によって把握できるのであるから、注意を促がす意味で、Jアラートが警報を出すのは当然であるかもしれない。しかし、現在の状況下で電車が止まり、学校が休校になるというのは理解できない。何の前触れもなく、突然に戦争状態に突入するというのはありえないことであるからだ。国交が断絶直前であり、軍事や経済などの様々な方面で臨戦態勢に入りつつあるのである場合には、むしろこれが当然の処置である。過剰な反応は相手を利するのみであるからこれを避けねばならない。韓国は非常に冷静な反応が行なわれていると聞く。
 昔、米ソの二大国の冷戦下において、渡り鳥の大群が飛び立つのをミサイルの発射と誤認して、軍が臨戦態勢に入ったことなどが何度もあるという。核シェルターをもつことが推奨されるような時代は願い下げである。

 

 

<墨滴>

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