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盂蘭盆会の午後の瞑想
―ポピュリズムの荒波―

 ポピュリズムの台頭

 お盆は言うまでもなく、先祖霊が裏山から帰ってくるという民族宗教に基づくお祭りである。とりわけ8月15日は、終戦記念日とかさなり、あまたの先祖霊と共に、数千万人の第二次世界大戦での犠牲者を追悼する日ともなっている。先祖たちの霊と共に、過ぎ去りし日々を顧みながら、迎えようとしている未来を考えることは、とりわけ貴重なことではないだろうか。
 それにしても昨年は世界でポピュリズムが荒れ狂った年であった。イギリスにおいては国民投票による、まさかのEU(欧州連合)離脱。戦争の惨禍から立ち上がるためにヨーロッパ諸国民が強調して築きあげてきたEUが瓦解の危機に晒されることになった。そして「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏の米大統領選の勝利。錆びついたベルト地帯などの問題を考えれば、理解できないわけではないが、あまりにも極端な動きである。その根底には、鬱積する国民の不満をてこにして、エゴイステックな言動を政治原理とするポピュリズムの台頭がある。
 建設においても、設計から取り付け道路の建設なども含めて何年もかかるが、破壊は一瞬の出来事である。政治の理念の建設は、その背後に無数の戦争の犠牲者などを抱えながら営々として築き上げられたものである。ローマは一日にしてならずというが、ことの是非は即座には評価できないにしても、血を持ってあがなってきた制度が、大衆の意思であるとして、瓦解する。いわゆる民主主義の底なしの深淵を垣間見た思いである。
 ポピュリズムには人気取り政治に陥ってしまう可能性が常に付きまとう。私たちの親が、兄弟が、子供が苦労して築き上げたものが崩れ去るかもしれない。そんな思いが去来する。

 名状しがたい喪失感

 何か美しいものがこの世界から退場しつつある。それは「思想」といってもよいかもしれないが、はっきりと名指すことは出来ない。それだけに何かもやもやとして釈然としない気持ちだ。
 報道によると、東京都の小池百合子知事に近い若狭勝衆議院議員が、政治団体「日本ファーストの会」を設立して、政治塾を開講するという。小池氏は支援という形で協力するという。トランプ氏の「米国ファースト」にあやかろうというのであろうが、どんな理念を打ち出そうとしているのか、さっぱり分からない。明白なのは、いわゆるポピュリズムの動きそのものだということだ。
 地域政党という考えは、橋下徹元大阪府知事が組織した「大阪維新の会」がその代表格であろうが、それには「大阪都構想」という目標があった。小池知事が率いた地域政党「都民ファーストの会」は、七月の都議選で圧勝した。そのような結果を踏まえて、日本ファーストは、「自民党でも民進党でもない、民意の受け皿としての政党」の結成を目指すのであろう。
 地域政党が、その地域の課題の解決のために生まれるのはよい。だがそういった課題は国政そのものではない。国政に関しては、国の経済を運営するために国民に不人気の政策でも推し進めざるを得ない場合もある。人を養成する課題も残る。「維新の会」の結成以来、地域政党が政治塾を組織して人を集め、少し講義などを聴き、修了者のなかから選挙の候補者を選ぶという手法が流行している。
 確かに、幕末の松下村塾や松下幸之助氏が設立した政経塾からは、幾多の傑出した政治家がうまれた。それは政治家としての理想や情熱でも結ばれていたからであろう。ポピュリズムはそういった人造りを否定する。人は人気があるからという理由で集まり、人気がなくなったという理由で散ってゆく。そこには恒常性というものはない。

 先に、何か美しいものがこの世界から退場しつつあるように思える、といった。かわって満ちあふれつつあるのが、醜悪な言葉、人をののしる言葉の行列であろう。それにはマスコミが大いに責任を負うべきである。
 今、天下を騒がしている加計学園の獣医学部新設の問題も騒ぎ過ぎというべきなのではないだろうか。もともと様々な規制は、出来た当初は合理性をもっている。それでも年月がたつと硬直化して合理性を失って来る。特区の制度は、そのような規制の網を内閣官房が主導して撤廃し、地域再生と両輪で地方の政治と経済を活性化しようというものであった。省庁の垣根を外して、内閣官房が地域の活性化を支援するという制度設計である以上、官邸が動くのは当然である。贈収賄を含む事件性があるのであれば格別、はじめに加計学園ありき、ということが問題とは思えない。
 相手を非難するだけの言葉が飛び交っている。美しい未来を語る言葉を欠いているのである。
 言葉、言葉、言葉・・・   <ハムレット>

 

 

<墨滴>

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